一般診療科とは
一般診療科は、犬や猫の全身状態を総合的に診察する診療科です。動物医療では、「どの科にかかればよいかわからない」といったケースも多いため、最初の窓口として重要な役割を担います。
主な対応内容
- 健康診断
- 予防接種
- 日常的によく見られる病気の診察・治療
- 他の専門科への橋渡し(必要に応じて)
代表的な一般診療科の疾患
一般診療科では、以下のような比較的軽度〜中等度の疾患に広く対応しています。
犬に多い疾患
- 皮膚疾患(皮膚炎・湿疹などのかゆみ)
- 外耳炎(耳の感染症)
- 消化器疾患(嘔吐・下痢など)
- ケンネルコフ(伝染性の咳)
- 角膜潰瘍(目の傷)
猫に多い疾患
- 下部尿路疾患(膀胱炎・尿石症など)
- 慢性腎臓病(シニア猫に多い)
これらの病気に対して初期対応を行い、必要に応じて専門科に引き継ぎます。
検査方法
症状や身体の状態に応じて、以下の検査を組み合わせて行います。
身体検査(視診・触診・聴診)
- 心音・呼吸音の確認、心雑音・異常音の有無を評価
血液検査・尿検査
- 感染や内臓機能の状態を把握
画像検査(レントゲン・超音波)
- 咳や呼吸困難 → 胸部レントゲン
- 嘔吐・腹痛 → 腹部エコー
- 骨や関節の異常も把握可能
幅広い検査手段を使って原因を特定し、治療方針を立てます。
治療方法
診断内容に基づき、内科的治療が中心となります。
主な内科的対応
- 抗生物質・抗ウイルス薬の投与(感染症)
- 駆虫薬の使用(寄生虫症)
- 点滴・制吐剤の使用(下痢や嘔吐時)
- 外用薬・内服薬による局所治療(皮膚炎・外耳炎)
- ワクチン接種やノミ・マダニ予防(予防医療)
状態が重い、または専門的処置が必要な場合は、専門診療科や二次診療施設へ速やかに紹介します。
手術方法
一般診療科で対応する主な手術
手術名 | 内容・目的 |
---|---|
避妊・去勢手術 | 繁殖制御および生殖器系疾患の予防 |
皮膚腫瘤の切除 | 良性・悪性を問わず早期対処 |
外傷の縫合処置 | 怪我の治療と感染予防 |
これらの手術は全身麻酔下で安全に実施し、術前検査で健康状態を確認したうえで行います。
高度な外科手術(骨折など)が必要な場合には、整形外科の専門医と連携します。
その他特筆すべきこと
一般診療科は、ペットの「ホームドクター」として以下のような役割を担っています。
- 日常の不調や健康相談に対応
- 定期健診による病気の早期発見
- シニア期の健康管理(血液検査、臓器スクリーニングなど)
- 食事やしつけなどの生活面の相談窓口
飼い主様にとって最も身近な診療科として、ペットの生涯に寄り添い、健康を守り続けます。